カテゴリ:スタッフブログ / 投稿日付:2023/11/06 14:38
こんにちは。伊藤です
時効取得のワードが最近多く聞きますので、今日はそのことを
時効取得とは、他人の所有物や財産権を一定期間継続して占有または準占有する者に、その権利を与える制度です。日本法では、民法162条~164条で定められています。
時効取得には、以下の要件があります。
- ・占有者(権利を取得しようとする者)が、所有の意思をもって占有していること
- ・占有が平穏かつ公然と行われていること
- ・占有が善意かつ無過失であること(短期取得時効の場合のみ)
占有とは、自分が利益を受ける意思をもって物を現実に支配することをいいます。例えば、土地を耕作している場合や、建物を居住用として使用している場合などは、占有に該当します。
平穏かつ公然とは、他人の干渉を受けることなく、堂々と占有していることをいいます。例えば、夜中にこっそりと土地に侵入し、誰も見ていないうちに耕作しているような場合は、平穏かつ公然とはいえません。
善意かつ無過失とは、占有開始時に、その土地や建物が他人の所有物であることを知らなかったこと、または知らなかったことに過失がなかったことをいいます。例えば、土地の所有者が亡くなったことを知らず、その土地を耕作していた場合などは、善意かつ無過失といえます。
時効取得が成立した場合、占有者は、占有していた物や財産権の所有権を取得します。
時効取得のメリット
時効取得のメリットは、他人の所有物や財産権を、無料で取得できることです。また、時効取得は、強制執行によって、権利を実現することもできます。
時効取得の注意点
時効取得には、以下の注意点があります。
- ・時効取得が成立するまでの期間は、20年です(長期取得時効)。ただし、占有開始時に善意かつ無過失であると認められた場合、10年まで短縮されます(短期取得時効)。
- ・時効取得が成立するには、占有の事実を証明する必要があります。そのため、占有の開始時期や、占有の方法などを、証拠として残しておくことが重要です。
- ・時効取得が成立したとしても、所有権を主張する相手方から、時効取得を争われる可能性があります。そのため、時効取得が成立した場合には、専門家に相談して、適切な対応を検討することが大切です。
時効取得は、他人の所有物や財産権を取得する有効な手段です。ただし、上記の注意点を踏まえ、慎重に検討する必要があります。