カテゴリ:よっちゃんブログ / 投稿日付:2024/03/05 17:44
銀行などからの借入金
住宅ローンなどの借入金は、残債額が債務控除の対象になります。夫婦連帯名義のローンであれば登記情報から持分がわかるので、登記事項証明書を確認しておきましょう。個人からの借金も債務控除できますが、借用書や返済状況を確認し、借入れの実態があったかどうかを調べるようにしてください。状況によっては、税務署から贈与とみなされる可能性もあるので要注意です。
連帯債務
夫婦間や親子間の連帯債務も債務控除できますが、基本的には被相続人の負担額が明確な場合です。また、負担額が不明確な場合でも、弁済不能な連帯債務者の債務を被相続人が負担し、求償しても弁済の見込みがなければ、被相続人の負担額のみ債務控除できます。
生活費や医療費などの未払金
被相続人の生活費には電気やガス、電話料金などがあり、亡くなる前の使用分は未払いの生活費として債務控除できます。また、被相続人が入院先の病院で亡くなったときや、死亡前に手術を受けていた場合も、未払いの医療費として債務控除が認められます。なお、生前の医療費については、被相続人が負担していれば医療費控除の対象になり、相続人負担であれば、所得税の計算で医療費控除の対象になります。ただし相続人の医療費控除は、被相続人と同一生計だった場合に限るので注意しましょう。
経営していた賃貸物件の敷金
被相続人が賃貸アパートなどを経営していた場合、入居者から敷金を預かっているケースがあります。敷金は契約満了までの預り金であって被相続人の財産ではないことから、債務控除の対象になっています。なお、敷金の全額を債務控除できるわけではなく、返還までの期間に応じた計算が必要です。
未払いの税金など
被相続人が支払う予定だった社会保険料や、所得税や住民税、固定資産税なども債務控除できます。また、被相続人が発生させていた延滞税も債務控除が認められます。
特別寄与料
被相続人の財産維持や増加への貢献、または介護費用をもらわずに献身的な介護をしていた相続人以外の人がいる場合、その人は2019年7月1日以降、特別寄与料を請求できるようになりました。民法改正によるものですが、特別寄与料を支払った相続人は、同額分を債務控除できます。
葬式費用
被相続人の債務ではありませんが、葬式にかかった費用はプラス財産から控除できます。葬式費用には火葬や納骨費用、寺院への支払いや通夜の飲食代などが含まれます。ただし、初七日や四十九日法要、香典返しの費用は対象外なので、判断に迷う場合は専門家に問い合わせた方がよいでしょう。